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「やっぱり。そりゃあ、中にはいますよ。でも、大概普通の人が暇潰しに書いたり読んだりしてるんですよ、ネット小説って」
秋が唇を尖らせる仕草をしつつも、『別に気にしてませんけどね』と笑った。
「ボカロだってそうですよ。オタクもいるとは思うよ。だけど、ただ音楽が好きな奴とか、人間が刻むことの出来ないリズムの音楽を作りたいヤツとか、ボカロのキャラの声が純粋に好きだってヤツとかが好んでいるだけですよ」
「イヤイヤイヤイヤ。私がいつボカロを悪く言いました?」
日頃、ボカロに対する偏見に辟易していた為、つい熱く弁解してしまった俺に、秋が若干引いてしまった。
「あ、ごめん。オタクに見られるのが嫌でつい…」
慌てて謝る俺に、
「オタクに見られるのが、何で嫌なんですか? 何でそんな蔑視するんですか? オタクは、差別されるべき存在なんですか?」
秋が真っ直ぐな視線を向けた。
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