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秋とは会えなくとも、毎日連絡を取り合った。
毎日秋の声が聞きたい。 毎日会いたい。 いつも一緒にいたい。
それ程に、オレは秋の事が好きで好きで、大好きだった。
------------------5ヶ月かけて回った全国ツアーも最終日を迎えた。
最終日も大盛況。 有終の美を飾れたと思う。
楽しかったツアーが終わるのは淋しい。
だけど、また秋に会える事が嬉しくて仕方がない。
早く秋に会いたい。
最終公演は、東京から離れた都市だった。
だから、秋は呼ばなかった。
来て欲しかったけれど、小説を書けなくなってしまってから、秋は元々やっていたバイトのシフトを増やしていて、連れて来る事が出来なかった。
本当は、バイトなんかしないでオレのツアーに同行して欲しかった。
だけど、言えなかった。
多分、逃げたんだと思う。
秋の事、大好きなのに、ずっと傍にいたいと思っていたはずなのに、正直、小説が書けずに苦しむ秋の姿を見るのが辛かったから。
秋に会いたくて会いたくて、会いたくなかったオレは、秋に会えなくて淋しい思いをしながらも、どこかでホっとしていたのだ思う。
それでもやっぱり、秋に会いたい。
どうしたって、秋の事が好きだから。
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