SAKAEバアサマに乾杯

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捜索開始後、直ぐに日が落ちて真っ暗になる。 春といえども、まだ夜間は寒い。 聡は、あっと言う間に幹線道路沿いに消えていった。 「サカエさんさ、どうしちゃったのかな」 「やっぱり、何か食べたくなったんじゃ無い」 そう笑う千鶴子に、楓は「何か違う気がするのよね」と言った。 「違うってどういうこと」 「何かね、今日はいつもと様子が違っていて。手に封筒を握っていたの」 「で、どういうこと」 「うん、何度声を掛けても上の空で恋する乙女みたいだった」 「楓、何言ってるの。お祖母ちゃん幾つだと想ってるのよ」 「まあね。でも、あの人なら有り得る気がする」 「いやね、辞めてよ」 そんな話しをしながら、2人は手当たり次第飲食店を覗くが彼女の姿は無かった。
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