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今朝も5時半きっかりに、雨戸を開ける音が響く。
バタンッ!ドタンッ!
ガガガガガガ!バーン!!
夢うつつの中で、夢の余韻を楽しんでいた私の布団にもその衝撃は届く。
熟睡していても、目が覚めるレベルの衝撃。
手を伸ばして、スマホを手に取り時間を確認する。
「ジャスト、5時半」
重い体をもう一度、ベッドに沈めつつ。
「規則正しいな、あの人目覚まし時計付けてない筈なんだけど」
掛け布団を引っ張り挙げて頭から被る。
彼女の毎日は、二度寝の朝から始まる。
その後も、激しい物音をひたすら無視して惰眠を貪った後布団から出る。
2階の部屋から玄関に降りていけば、サカエさんの姿が目に入る。
ショートヘヤーで、パーマを掛けた明るい茶色の髪。
150cmと小柄だが、大股でズカズカと歩き回る姿は、大男より迫力がある。
そんなサカエさんは、今朝も廊下をドタバタと歩き。
玄関に置かれていた新聞を蹴散らし、ゴミ袋を片手に玄関から出て行った。
「おはよー、相変わらずサカエさん爆走中じゃん」
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