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.....ん......んん.....
ーあれ、今何時だろ。。。ー
時計を見ると、まだ布団に入ってから1時間も経っていない。
ーすごく疲れてたのに、なんで目が醒めたんだろ。。。ー
私はここ最近の激務で、ろくに休息がとれず、かなり限界に近くなっていたはずだった。
なのに、まるで何時間も寝た後のように、パチリと目が醒めたのだ。
しばらく目を瞑り再度寝ようと試みるも、全く寝落ちる気配がなく、
そのうち不意に、昼間の不可解な出来事が頭に浮かんできた。
会社で遅い昼食をとった後、コーヒーを飲もうと給湯室に向かった時だった。
ふと前を見ると、私服の女性が給湯室に入るのが見えた。
ー。。。え?なんで私服の人がいるの?。。。ー
うちの会社は、女性は制服が貸与されていて、私服での出入りは基本的に禁止されている。
仮に業者や取引先の人だったとしても、給湯室になど入るわけがない。
ましてここはビルの3F。
1Fのロビーに来た一般の人が間違って入ったと言うにも、無理がありすぎる。
かなり不審には思ったが、【給湯室】である。
取られて困る物などはないはず。
しいて言うならば、差し入れのロールケーキを切ったりする為に置かれている、包丁くらいのもの。
しかし気になった私は、足早に追い掛けて給湯室へと入った。
ー。。。あれ?。。。ー
そこには、まるで最初からそうであったと言わんばかりに、ひっそりと静まり返った、無人の給湯室があるだけだった。
縦に四畳ほどの空間に、シンクと小さな冷蔵庫が置かれただけの給湯室、隠れるような場所などどこにもない。
私はしきりに首をかしげながら、コーヒーを紙コップに注ぐと、給湯室を後にした。
ー昼間のあれ。。。何だったんだろう。
確かに、はっきりと見たはずなんだけどなぁ。
疲れすぎて、幻覚でも見たのかな。。。―
考えたって答えが出るわけでもないので、私は頭から思考を振り切るように、目を瞑り、ゆっくりと寝返りを打ち、なんとなく目を開けた。
!!!
そこには、左右の目が今にも飛び出しそうに別々の方向を向き、割れた頭からは脳漿をはみ出させ口から大量の血の泡を吹いた昼間の女らしきモノが、ニヤニヤしながら私を覗き込んでいた。
『こぉひぃ、おィしカッた?。。。』
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