ガリガリ。

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ギシッ。。。ギシッ。。。 もうかなり古くなっているせいか、どんなに慎重に歩いても、板が軋む。 心なしか、異臭がするような気もする。 ーまさか死骸もあんのか。。。?ー そんな事を考えながら、なおも先へと足を進めると、数十cmほど先に、何か大きな物が見えた。 横長で、恐らく1m50~60cmくらいの大きさの物が、何か布で包まれている。 それが2つ。 ーなんだあれ。。。ー さっき気のせいかと思った異臭は、それに近づいた今は吐き気をもよおすほどに強くなっている。 その時。 ガリ。。。ガリ。。。 ーまたあの音だ。どこだ?どこにいやがる!ー 俺は周囲を照らしてみたが、ネズミがその辺にいるような気配はしない。 俺はまた、さっき見つけた「物」を照らし直し、恐る恐る近づいてみた。 鼻が曲がるような異臭!間違いない、異臭の出どころはこれだ! ガリガリ。。。ガリガリ。。。 ー!!!?ー 俺は目を疑った。 布で包まれたその物体が、「ガリガリ」と音がする度に微かに動いていたのだ。 俺はやおらその布を剥ぎとった。 そこには、腐乱が進みほとんど白骨化している「父母だったもの」が、俺に向かって這いずって来ようとしていた。 ガリガリ。。。ガリガリ。。。。 ゆっくりと2つの塊が向きを変え始めている。 ーそうだよ、なんで忘れていたんだ。ー ガリガリ。。。 屋根裏の床を引っ掻いているうちに、腐り果てた指先は真っ先に肉が削げ落ちたのだろう。 完全に骨だけになっていて、それが床を引っ掻きながら、ガリガリと不快な音を立てていたのだ。 ー俺はあの日、両親と口論になり、勢い余って殴り殺してしまったんじゃないか。ー ガリ。。。 筋肉のない首を持ち上げ、カクカクと揺らしながら、「俺の両親」が徐々に近づいてきている。 ー事故で死んだんじゃない。ー ガリガリ。。。。 腰を抜かして逃げる事もできない俺の体は、ガクガクと震えが止まらない。 ー俺が殺して、俺が屋根裏に隠したんだ。ー ガリ。。。。ガリガリ。 尻もちをついた俺の両足を、ついに「2人」の手が掴んだ。 ーネズミなんかじゃ。。。なかった。。。ー
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