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あれから、私が泣き止むまで、彼は顔中に口づけを降らし、抱きしめた。
「そう言えば」
ずっと、恐くて口に出せなかったことを聞こうと、彼の腕を掴む。
「私たちの子供はどうなったの?」
それを問うと、彼は困ったように微笑んだ。
「ねえ」
「・・・初期流産、だそうです」
「そう」
ある程度覚悟はしていたが、いざ言われると、キツイものがある。
彼の表情を見れば責めていないことは分かるが、それがかえって辛かった。
「ゴメン、ね・・・」
貴方の腕に、抱かせてあげられなくて
その思いと共に布団を握りしめると、涙が再び頬を伝う。
彼は、そんな私を胸の中に閉じ込め、抱きしめた。
「原因は、染色体の異常らしいので、今回のことは関係ないと思います。自分を責めないで下さい」
それは、せめてもの慰めか。
彼はそう言って私の頭を撫でる。
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