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「もう、いいわよ。大体、これで貸し借り的にはチャラでしょう?」
シリアスな空気を壊すように、院長の声が響く。
「ええ。それに、おかげで槙さんが身も心も私のものになってくれたわけですから、感謝したいくらいです」
・・・いや、貴方は貴方で何言ってくれちゃってるわけ?
そんな二人の気遣いを受け入れたのか否か、彼女の目には涙が浮かんだ。
「・・・ごめ、なさ・・・」
両手で顔を覆って、彼女は泣き続けた。
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