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私が頷くと、彼は私の顔に口づけを降らせる。
「・・・ん」
そのまま彼の手が私の背中のラインをなぞり、下へと移動する。
心地よい疼きに身を奮わせると、それを了承の意と捉えたのか、彼自身が茂みを割って入ってきた。
「-っあ。んっ・・・あ・・・」
悦に浸るように身を奮わせていると、ポタリと一滴の滴が頬に落ちる。
「・・・すみません」
そう言って、手のひらで顔を覆う彼が、泣いているのだと気づいた。
『貴女もお腹の子も、愛していますよ』
そう言って、愛おし気にお腹を撫でていた彼を思い出す。
あんなに喜んでいた彼が、今回のことを悲しんでいないはずはない。
私は、やっぱり何も分かっていなかった。
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