Caffe

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*** 「帰りに、大貫に寄って綿貫先生に挨拶をしてきましょうか」  海は、そんなことを言いながらサンドウィッチを作り、ランチボックスに詰めていった。  寒いから、と言って水筒に熱々の紅茶を注ぎ、ついでにホットケーキミックスをレンジでチンした蒸しパンも用意する。気分はすっかりピクニックだ。 「・・・デートって、どこに行くわけ?」   「そうですね。鋸南で花摘ができる場所があるらしいので、そこでお昼がてら、供える花を摘んで行きましょう」  ・・・  そうだ、この男の出身は異国の地だった、ということを改めて気付かされる。 「普通さ、日本で墓参りって言ったら、菊の花を供えるのが一般的なんだけど」 「日生は、『菊なんて辛気臭い花を供えたら、化けて出てやる』って言ってましたよ」  一体、どういう流れの会話でそうなった。  呆れ顔で彼を見るも、当の本人はなに食わぬ顔を私に向けていた。
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