コーヒー&ミルク

Caffe

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　千葉駅から内房線で約一時間半の所に、鋸南町はある。
　さらに、彼が調べた花摘の施設は、駅から出ているシャトルバスを使って移動したところにあった。

　家を出たのが十時過ぎ、花畑に着いたのが丁度十二時を回った頃。まぁ、平日だけあって、人はあまりおらず、半ば私達の独占状態だった。

「この辺りでお昼にしましょうか｣

　そう言って通路沿いにあるベンチに腰を下ろす。

「せっかくですから、花畑の中に入りたいんですけどね｣

「『観賞スペースのため、立ち入りはご遠慮ください』って、書いてあるわよ｣

　ピクニックシートを出して口を尖らせる彼に、半ば呆れ心地でそう言った。