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っていうか、『この先の選択肢』って何?
「別れる、ってこと?」
追いつかない頭でそれだけ問うと、彼は目を伏せて頷く。
というか、何でいきなりこんな話になった?
ついさっきまで、彼は坂木に幸せを当てこすってやる、とか言っていた筈だ。
ここにきて罪悪感が芽生えた?この場の雰囲気に飲まれただけか
そう思うと、無性に腹が立った。
「・・・この、バカ」
そう呟くと、私はくるりと身を反転させ、彼と向かい合う。
そしてそのまま、彼の額に目掛けて頭突きをくらわせた。
「-!!」
「ふざけるんじゃないわよ!!」
彼が額を押さえ、悶絶している姿が潤んだ視界の隅に映る。
「これ以上踏み込んで来るな、って言ったのを無視して私の側に来たのは誰?!私が産みたいのは、貴方の子供だけ、って言ったわよね?!」
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