Latte e miele

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「槙さん」  頭の上で声が響く。 「何?」  恥ずかしくてそのままでいると、彼が苦笑したのが分かった。 「顔を挙げて貰えますか?そのままだと、キスできません」  その言葉に顔を挙げると、彼の顔が間近にあり、驚く。 「まったく、フライングもいいところですよ?まだ、指輪も用意できていないんですから」  そう言って、私の唇にそっと口づけを落とした。 「ん・・・」  離れていく彼の名残を惜しむと、彼はそんな私に構わず左手を取り、薬指に吸い付く。 「-っ」  一瞬身をすくめ、閉じた目を開くと、薬指の付け根に赤い痕が付いていた。 「・・・今から、綿貫先生に会いに行くのよね?」  どうするの、コレ  呆れ心地で問うと、彼は幸せそうに笑って見せた。
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