Latte e miele

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「まぁ、それはいいとして、晩メシに食いたいものはあるか?ないなら、そこの駅ビルに入ってる店でいいか?」  そう言われ、連れて来られたのは駅ビルに入っている中華料理店だ。 「そういやお嬢さん、今回は大変だったな」  注文した料理が運ばれてくる前に、綿貫先生はそう切り出す。  近場のニュース、その上福留ナースも関わっているとあって、詳細は存じているようだ。 「・・・その件に関しては、お世話になりました。綿貫先生は、坂木について、知っていたんですか?」 「詳しく調べたのは院長だが、坂木製薬のボンクラ息子のことは、度々、噂で耳に入ってきたからな」  そう言って、運ばれてきたウーロン茶に手を伸ばす。  一口飲んで喉を潤すと、綿貫先生は私の隣にいる海を見た。 「まぁ、今回は碧がついているからどうなるかとは思ってたんだがなぁ」  この話ぶりは、お腹の中にいた子供のことを知っているのだろうか。  ちらりと彼を見ると、複雑そうな顔をしていた。
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