Latte e miele

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***  運ばれてきた料理に手をつけ、五分くらい経った頃に突如として呼び出し音が鳴る。  音の主は海のスマホだった。 「おい碧、鳴ってるぞ」 「そうですね。すみません、席を外します」  そう言って、海は席を立つ。 「相変わらず、忙しそうだな」  遠ざかっていく背を見ながら、綿貫先生は懐かしむように言った。 「ところでお嬢さん」 「はい?」 「幸せになれそうか?」  こちらを見て、うって変わって真面目な口調で問う。  そのくせ、ニヤニヤとからかうような顔つきになっているのが可笑しかった。 「そうですね。何とか」  そう言って笑うと、意外そうな目を向けられる。 「?どうかしましたか」 「いや」  そうは言われるが、納得などできるハズがない。  訝しげに綿貫先生を見ていると、何がおかしいのか、笑われた。 「お嬢さん、そんな顔もできるんだな。碧効果だな」
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