Latte e miele

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*** 「さて、俺はこれから車で大貫に帰るんだが、お嬢さんはどうする?」  食事を終え、会計を済ませると綿貫先生は私に聞いてくる。 「旅館に戻るなら、乗せて行くぞ。どうせ、通り道だろうしな」 「このまま電車で家に帰りますよ」  時計を見ると、終電まではまだまだ余裕のある時間だった。 「そうか。碧によろしくな」 「ハイ」  そう言って、綿貫先生とは改札で別れた。  電車に乗り、車窓に凭れかかると、今日の出来事が走馬灯となって頭に浮かんでくる。  幸福な気分と共に、私は家路を急いだ。  
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