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仕方ない、と肩を竦めると、彼はコートを脱いでハンガーにかける。
「コーヒーでも飲む?」
「お願いします」
コーヒーメーカーをセットし、洗濯物をたたんでいると、後ろから彼に抱きつかれた。
「・・・どうしたの?」
「いいえ。愛しいなぁ、と思いまして」
きっと、彼が称したのはこの二人で過ごす時間のことだろう。
その言葉に無意識に綻んだ私は、洗濯物をたたむ手を止めて、巻き付く彼の腕を引き寄せ、その手に口づける。
すると、彼はクスリと笑って私の顔に唇を寄せた。
「次の休みこそ、指輪を見に行きましょうね」
そう言って、誓いと共に唇に封をすると、蕩けそうな笑顔のまま私の背に寄りかかり、洗濯物をたたみ始めた。
この日常を愛しく思うのは、私も同じだ。
だから私も誓いと感謝を口に乗せる。
「私も愛してるわよ。ありがとう」
そう言って、背中の彼に凭れかかる。
小さく笑う彼の声を聞きながら、こんな日々がずっと続いていけばいい、そう願った。
-To be continued ・・・?
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