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それから、百貨店内外の店を二～三件見て回ったものの、彼女のお眼鏡に敵う品は見付からず。
果ては、天然石の店の店頭で、指輪とにらめっこしている。
いや、そんなところじゃなくても、普通に宝石店で買いますよ？
今まで、ロクな休みがなかった分、貯金もそれなりにありますから
もしかしていらぬ懐具合を心配させてしまっているのでは、と思いながら、私達は駅ビル内の宝石店にやって来た。
「いらっしゃいませ。本日は、どのような品をお探しですか？｣
「彼女に贈る、婚約指輪を探しているのですが｣
「分かりました。少々お待ち下さい｣
そう言って、彼女は店の奥にあるショーケースの前まで私達を連れて来た。
そこで、槙さんは別のショーケースに釘付けになっている。
「気に入りましたか？｣
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