後日談ーFascino fortunato

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***  結局、指輪はサイズを注文して、受け取りは二週間後、ということになった。 「本当に、あれでよかったんですか?」  帰り際、彼は若干不安気に聞いてくる。  指輪の値段は八万弱。婚約指輪の相場は知らないが、私はあのデザインが気に入ったのだし、そんなにお金をかけても仕方ないだろう。 「私はあれがよかったの」 「でもあれ、婚約指輪じゃなくて、バースデーリングでしたよ」  店員さんも、困っていたようですし、と付け加えられるが、正直、そんなことはどうでもよかった。  ・・・いや、どうでもよくはないか 「お守りみたいなものだし、そんなに高価でも意味ないでしょう?だったら、少しでも貴方を連想させるものがいい」  居心地の悪い思いをごまかすように、彼の腕に寄りかかる。顔を挙げると、顔を赤くしているのが分かった。  ごまかすように顔を手に埋めているが、バレバレだ。  その頬を染めているのが私だということに、優越感を感じながら、駅ビル内を歩く。
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