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「あ」
そうして、立ち止まったのは、先程も見た天然石の店だ。
「さっきもその店の前で立ち止まってましたよね。何か、気になる品でもありましたか?」
あったら買いますよ、と続けそうな口調で、彼は私の背から目当ての石を覗き見る。
それを認識した途端、嬉しそうに彼が笑ったのが分かった。
・・・
「ナルホド。確かに、そちらの方がらしいですね」
私が見ていたのは、エメラルドより深い緑色の天然石だ。
「グリーンアパダイト。ええと、石言葉が」
「『お守り・明晰・判断力・保護・周りに希望をふりまく・未来に集中する』よ」
日本語が苦手な彼に代わって、天然石の近くに書いてある石言葉を読み上げる。
「買って行きますか?」
そう言って、彼はグリーンアパダイトのピアスを指差した。
「・・・もう、さっきの指輪で充分だけど」
呆れて言うと、何故か溜め息を吐かれる。
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