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昼食を食べた後、花屋に寄って花束を買い件のカフェに着く。
道中、そういえば、と思い出したことがあった。
「日生ちゃんさぁ、海に『自分の墓に、菊の花なんか供えたら化けて出てやる』って言ったんだって?」
「ん?ああ、言ったね」
そう言って、彼女はカフェテーブルに座って、メニューを開く。
動じることなくメニューを開く彼女の図太さに、溜め息が出た。
「・・・何がどうなって、そんな話になったわけ?」
「んー?秘密」
・・・
予想外の手強さに驚いていると、メニューを手渡される。
「ハイ。私、ハーブティーとラズベリーのシフォンケーキね」
「ハイハイ。言っておくけど、ここの支払いは各自でだからね」
「はーい」
呆れ心地でメニューを受けとると、横で彼女の頷く声が聞こえた。
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