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その後、警官らしき人物が来て、彼女を覆面パトカーに乗せて行った。
誤解の上での殺人未遂、ということで、彼女に対して湧いてくる感情は哀れみだけだった。
「で、何だったの?」
「・・・いや。っていうか、アンタ誰?」
彼女を警察に引き渡し、カフェ近くの道で私の呟きを聞き、金髪の彼は訝しげな目を向ける。
まぁ、確かに言いたくない気持ちも分かる。
「・・・槙涼花。日生ちゃんの叔母の病院で、院長秘書をやってマス。ドーゾヨロシク」
「アルフィーノ=ロジャー。日生とコンビ組んでます」
「あ、アル、槙さんは海のお姫様だから。ヘタな態度とらないようにね」
日生ちゃんがそう言うと、彼は驚いたように私を見た。
「・・・へぇ」
海のことは、彼も知っているらしい。
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