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「日生ちゃん、これ以上バカなことを続けるなら、家へは出入り禁止にするけど」
冗談めいた口調を心がけながら言うと、彼女は隣の少年を睨む。
少年の目が泳いだのは、その直後だった。
「あー・・・。つっても、よほど動体視力がよくないと、読み取れないらしいけど」
上擦った声で言われても、信用性の程は皆無だ。
それに、彼女なら超人的な動体視力を持っていてもおかしくない。いや、そんなものを持っていなくても、自分の備えている能力全てを使って独自の読心術を編み出していそうだった。
「この間会った、科研の人がそう言ってたから試してみただけだよ。嫌ならもうしない」
そうは言うが、その信憑性は如何程のものか。
呆れと疑念の入り交じった感情で溜め息を吐くと、彼女はその想いも読み取ったのか、途端に口を尖らせた。
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