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やれやれ
爆笑している彼女に肩を竦め、順を追って話すことにする。
「まず、今日私を誘ったのは、このためだったの?」
「うん。半分はね」
悪びれもせずに答える彼女に対して出てくるのは、溜め息ばかりだ。もう半分は、落ち込んでいる私への励ましとでも言うのだろうか。
「それは、さっき言ってた『上司命令』?」
「うーん、正確には命令ではないかなぁ。あの人、上司じゃなくて茶飲み友達だし」
「あ、そう・・・」
他部署だろうがなんだろうが、通常階級が上なら『上司』なのだが、彼女の感覚では違うらしい。
アメリカでどうだったのかは知らないが、相変わらず自由な子だ。
まぁ、聞きたいことは他にもあるので、それはこの際置いておく。
「で、さっき『二宮課長』って言ってたんだけど、それは、政治家の『二宮誠一』と関係あるのかしら?」
私が問うと、彼女は寂しげな笑みを見せた。
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