番外編ーSogni e fantasmi

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「太陽と初めて会ったのは、ペンシルベニアの警察お抱えの病院。そこに、私が初めて担当した事件の被害者がいてね。度々見舞いに行ってたの」  語り始めた彼女の話を、私は黙って聞く。 「まぁ、同僚には『あまり入れ込むな』って言われてたんだけど、同い年くらいだったからつい、ね。  太陽に会ったのは、その子の見舞いに行ったのはいいけど、取り込み中だったのを待っていた時。見舞いに持ってきたアイスが溶けそうだったから、一緒に食べないか、って誘ったんだ」  そう言うと、彼女はベンチに腰を下ろす。  私も、それに倣った。 「それからも、たまに太陽には会うようになったよ。っていうか、私が見舞いに行ってた子ーセレアっていうんだけど、彼女に惚れてる男の子がいたから、その子がいる時は、私は遠慮してたし。  そうして、病院の中庭なんかに行くと、大抵そこにいるんだよね。で、ボーっとしてた。理由を聞いたら、眠れないんだって。  嫌な夢を見る、って、そう言ってた」
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