352人が本棚に入れています
本棚に追加
皮肉混じりに吐かれた言葉に、どう返していいか分からなかった。
戸惑っていると、彼女は私を見て微笑む。
「そんな顔しないで。槙さんがどうこうできた問題じゃないし、私だって、死に場所を作ってやることしかできなかった。
私が日本に戻って、再会した時、太陽は『その中でヒナセと逢えたんだから、それでいい』って笑ったんだから、多分これでよかったんだよ」
そう言うと彼女は立ち上がり、一歩進むと花を海に投げ入れた。
私も彼女に倣い、花を投げる。手を合わせると、涙が頬を伝った。
最初のコメントを投稿しよう!