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「一応、海にも関係する話だから、話しておくね」
しばらく波の音を聞いていた私達が海に背を向けて歩き出した時、再び日生ちゃんの口が開いた。
「さっき話した、太陽と出逢うきっかけになった子がいたでしょ?セレアと、セレアに惚れてた少年」
「ああ」
そう言えば、と先程の話を思い出す。
「あれからしばらくして、セレアは勿論、彼も太陽も無事退院したの。太陽は、実母と連絡が取れたし、二人も、それぞれ親戚の家に引き取られた。
その後でも、セレアと少年ーボビーっていうんだけど、彼とは度々会ってた」
日生ちゃんは、そこまで言うと言葉を切る。
?
不審に思い顔を覗くと、彼女は溜め息を吐いた。
「それからしばらくして、二十~三十代の女性を狙う、通り魔殺人が発生したの。被害者の女性は、皆顔をグチャグチャに潰され、両手が切断されてた。
当然、FBI にも捜査要請が来てね。
犯行当時のアリバイなんかから、ボビーが容疑者として浮上したの」
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