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「・・・」
「勿論、私は異議を唱えたよ。彼が友人だから、っていう事実以上に、彼からはそんなサインはちっとも出ていなかったからね。
だけど、状況証拠が次々に集まる中、私は捜査から外された。そうして、何をする気にもならずにアパートで現実逃避をしている時に、御厩さんから『監視下にいたボビーが姿を消したこと』『セレアが行方不明になったこと』を知らされた」
そこまで言われれば、続く結末が明るくないことは容易に想像できた。
彼女は、尚も話を続ける。
「セレアは、結構無鉄砲なところがあったから、じっとしていられなかったんだろうね。私はすぐに、三人でよく集まっていた廃工場跡に向かったよ」
「・・・それで、そこにいたの?」
海との繋がりを見出だせないまま、それでも私は彼女の過去が気になって仕方なかった。
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