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「で、海との繋がりは?」
一番聞きたかったことはそれなので、私はすかさずそれを問う。
彼女は、分かりやすく反応すると、瞬時にそれを取り繕った笑みを見せた。
「しばらくして、私が潰したマフィア絡みで、失声症の女の子を預かることになってね。海達はその後に家に来たの」
「?」
「日本人らしいその子を、私は水月(ミツキ)って呼んでた。海には一番なついていたよ。髪の色が同じだった、ってのもあるんだろうね」
彼女の亡くなった双子の姉と似た響きを持つ少女の名に、いつか海から聞いた過去がリンクする。
「二人が買い物に行ってた時、かな。精神病施設に送致されてたはずのボビー、っていうかロブがそこから逃げ出した、って連絡を受けたの」
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