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「そ、そうなんですね。それじゃあ、私仕事が他にもあるので、これで失礼します」
そう言って、彼女は足早に去っていく。
やれやれ
肩を竦め、机に向き直ると、何故か横から肩を叩かれた。
「どうしたんですか?宮城先生」
「いや、罪な男だと思ってね」
「はぁ」
何だと言うんでしょう?
訳が分からず首をひねっていると、忍び笑いが聞こえてくる。
「宮城。ソイツは分かってないから無駄だ」
向かいのデスクから、綿貫医師が笑いながら そう言及した。
「まぁ、いいですけど」
どうでも、と本音は隠して言葉を返すと、宮城医師の溜め息が聞こえた。
「どちらかと言うと、それはこっちの台詞なんだけどね。
・・・で、碧先生。押田さんから、旦那以外の家族や親戚の話を 聞いてたりする?」
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