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『話してる最中、相手が目を反らしたりしたら、嘘を吐いていたり、隠し事をしていることが多いわ』
自分に生きていくためのあれこれを叩き込んだ人物の言葉が、瞬時に頭によみがえった。
だが、ここで事実を追求しても、けしてよい事態にはならないだろう、と思う。
とりあえず、彼女と離すことが先決か
「押田さん。とりあえず、奥様の病状について説明したいと思いますので、少しよろしいでしょうか?」
そう言って、彼を別室へと促すと、胡乱な態度で彼が付いてくるのが分かった。
やれやれ
呆れながら、彼を応接室に促す。続いて、宮城医師が入ってきた。
「詳しい病状については、こちらの宮城が説明します」
「初めまして。宮城と言います。まず、奥様の病状について簡単に説明させていただきます」
そう言って、宮城医師はホワイトボードに図を描き始めた。
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