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「それじゃあ移動しますよー」
「持ち上げます。3・2・1」
やってきたナース達の手で、彼女は処置室へと運ばれて行く。
自分も後に続こうとした瞬間、ベッドの下に、開封された後の、錠剤の容器が見えた。
「これは・・・」
それが何なのかを理解し、先程の彼女のぎこちない表情を思い出す。
あれは、そういうことか
何故、あの時に気付けなかったのかと後悔と苛立ちが襲うが、今はそんなものに浸っている場合ではない。
歯噛みしながらそれを白衣のポケットの中に入れると、私は処置室へと急いだ。
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