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気が付くと、視界に映り込んできたのは白い天井、そして見慣れた色のカーテンだった。
「・・・ここ、は」
そして次の瞬間 ああ、そうか と思う。
また倒れたのか
それを自覚した途端、折角与えられた『秘書』という役割さえ全うできない自分に嫌気がさした。
そんな自分を嘲笑した瞬間、覆っていたカーテンが開く。
・・・
「あ。目 覚めた?よかった」
少女は、安堵する気配すら見せず、ただの『状況確認』といった体で呟く。
「ちょっと待っててね。叔母さん呼んでくるわ」
そう言って身を翻す、彼女の言葉から彼女が誰なのか窺い知れた。
しばらくして、彼女はその言葉の通り院長と共に戻ってくる。
「まったく。なかなか戻って来ないから、心配したわ」
「・・・スミマセン」
「屋上でこの子が貴女を見つけてくれなかったら、ヘタすれば凍死よ。ホラ、お礼を言って」
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