Diva solare

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「・・・ありがとうございました」  現在は二月中旬。確かに今年の冬は寒いが、いくら何でも凍死はないだろう、と少し大袈裟な院長に苦笑し、礼の言葉を口にする。  対する彼女もそれは同様のようで、苦笑いを浮かべながら私を見ていた。 「いーえっ。私は高雫日生っていいマス。これから二か月程、お世話になりマス。ヨロシクね、槙さん」  彼女は、そう言って手を差し出す。  よく分からないこの状況に、私も曖昧に笑って手を握った。    
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