Diva solare

12/52
前へ
/470ページ
次へ
***  深夜の徘徊。それが太陽が起こす問題行動の主たるものだった。  確かに、彼女が来て以来、太陽が夜に出歩くことはなくなった。  だが、それは単にナースの目がなくなった、ということではないだろうか。  そんな疑心暗鬼な気持ちで、私は扉を開ける。 「・・・言わんこっちゃない」  扉の向こうはもぬけの空だった。  やれやれ、と呆れながら歩いていくとベッドの上に一枚の紙を発見する。   ”屋上にいるね”  ・・・  ある意味期待を裏切らない彼女の行動力に溜め息を吐きながら、私は部屋を後にした。
/470ページ

最初のコメントを投稿しよう!

352人が本棚に入れています
本棚に追加