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「ふたご座流星群のピークって、何時だっけ?」
「新聞には十一時、ってあったわよ。どう?見える?」
そんなことを言いながら、彼らは望遠鏡と空を見比べている。
「ちょっと待って。・・・Wow!見えた」
「え!?ちょっと見せて!」
そう言ったかと思うと、日生は望遠鏡を奪取する。
「すごーい」
「お前な・・・」
感嘆の声を上げる彼女の傍らで、太陽は尻餅を付きながら、恨めしげに彼女を見ていた。
「・・・あ。ゴメン、ゴメン」
・・・
夜に見る彼女の顔は、昼間と違い随分とあどけないものだった。
強がりの仮面を外した、その子供らしい素顔に幾分か安心する。
「槙さ~ん」
気が付くと、彼女が手招きしていた。
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