Diva solare

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 それはいいのだが、コートも着ずに出てきてしまったせいもあり、体が冷えてきたことに気付く。 「どうしたの?っていうか、いい加減寒いんだけど」  身を縮こませながら駆け寄ると、防寒対策がバッチリな二人は、顔を見合わせた。 「・・・それは悪かった。着るか?」  いやいや  そう言って太陽はコートを脱ぎ始める。 「ストップ。急激な温度変化は心臓に悪いから止めて」  隣の彼女は、至極真っ当なことを言いながら、彼の外したボタンを留めていった。  ・・・ 「仲、いいのね」  二人を包む独特の空気に肩を竦めると、太陽が肩を竦める。 「まぁ、イロイロあったから」 「色々、・・・ねぇ」  一体何があったというのか。 「それより槙さん、今何時?」
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