Diva solare

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*** 「失礼します」  その声と共に扉が開いたのは昼食を食べ、午後の打ち合わせを始めようとした時だった。 「来たわね」  彼の容貌を見て二人を見比べる私に構わず、院長は落ち着きを払った声で応待する。 「え・・・っと、院長?」  そう言って目を白黒させている私を見て、彼は居心地悪そうに肩を竦めた。 「ああ、貴女が『槙サン』?」  そう言って、彼は手を差し出す。 「いつも、うちの妹がお世話になってマス。日生の兄の『高雫森(しん)』デス。ドーゾヨロシク」 「因みに、うちの主人と二人の父親は双子だから」 「・・・はぁ」  そう言われても、困る。未だ現実味のないまま、私は静流君そっくりの彼と握手を交わした。
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