351人が本棚に入れています
本棚に追加
「一応、彼も医者だから、そんなに悪いようにはならないと思うわ」
「そう」
一応、私には珍しくフォローしたのだが、彼はおざなりに相槌を打っただけだった。
今の彼の気持ちは嫌というほど分かるが、それを彼に言っても伝わらないだろう。やれやれ、と溜め息を吐いた。
「大丈夫よ」
そう言って、彼の肩に手を置く。
「?!」
・・・さすがに、そんな反応されると傷つくんだけど
「・・・悪い」
「謝ることないわよ」
多少傷ついた事実には目を瞑り、呆れたように太陽を見た。
「日生ちゃんじゃなくて悪かったわね」
お返しにそれだけ言ってやると、彼は顔を赤くする。
へぇ
あからさまな彼の態度に肩を竦め、私は天井を仰いだ。
最初のコメントを投稿しよう!