Diva solare

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***  次の日も、彼女達は相変わらずだった。  手を繋いで歩き、彼女がホールにあるピアノを弾き、本を読んで笑い合う。  ・・・まぁ、変わったことといえば、それを見守るお邪魔虫が一匹増えたくらいか 「森先生、見苦しいですよ」  本を手にし、ロシア語と日本語、それぞれの言葉で解説しあう二人を見て歯噛みしているのは、昨日やって来た彼女の兄 森君だ。  確か、彼は滞在中の今日明日、救命を手伝うということになっていたハズである。 「というか、どうしてこんなところにいるんですか?救命はどうしたんです?」  トドメとばかりに私が問うと、彼はぶすくれた顔で私を見た。 「心配しなくても、休憩時間だよ」 「そうですか」 「貴女こそ、何でこんなところに?」 「二人の検温をとるの、私の役目なんですよ」  そう言って記録用紙を見せると、彼は納得したように肩を竦めた。
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