Diva solare

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***  周の夢に胡蝶となるか、胡蝶の夢に周となるか  いずれにしても、人の生は儚く夢の時は長く続かないと、私は知る。  二人が病室からいなくなったと知ったのは、次の日の夜だった。 「槙さん!日生達、知らない?!」 「どうしたの?」 「・・・知りません、けど」  血相を変えた森君が、院長室の扉を開ける。  突然の襲来に、私も院長も呆然と彼を見た。 「部屋にいないんだよ!」 「トイレとかではなく?」 「もう探した」 「ホールでピアノを弾いてるとか」 「見たけど、いなかった」  となると、心当たりがあるのは一つだ 「屋上は?前に、二人で天体観測してたけど」 「外、雪!そんな状態で出て行く馬鹿がいるかよ?!」  彼の言葉に窓を見ると、確かに外には白いものが舞っていた。  ・・・ 「分かったわ。捜しましょう。槙は、各フロアのナース達に連絡して。『捜す必要はないけど、それらしき人を見たら足止め・報告するように』と」 「承知しました」  院長の言葉に頷き、私は受話器を手に取った。  
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