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お父さんは結局、ボクがお母さんのお腹にいるって分からないうちに亡くなったらしいけど、ボクがいればお母さんは一人じゃなくなる って言ってたって。
だから、貴方をお父さんが嫌いになるなんてないわ、と その時お母さんから聞いた。
別にボクは寂しくないし、お母さんを守れるならそれでいいんだけどな
でも、いつも仕事で夜になるまで会えないお母さんに会える、っていうのは嬉しい。
だからボクは、大丈夫だよ って言う代わりにお母さんを抱きしめ返した。
あれ?
「そういえば、伯母さんと伯父さんは知ってるの?」
いつも、お母さんが仕事の時にお邪魔する家の人達が頭に浮かぶ。
あの二人は、お父さんのお姉さんとお兄さんだ、って言ってた。
「・・・一応、知ってはいるんでしょうけど、オススメはできないわね」
瞬時に体を離したお母さんは、気まずそうに言った。
確かに陸伯母さんは面白い人だけどさ
少なくとも、あの人は子供相手にテキトーなことを言って誤魔化す人ではないと思う。
そんな思いと共にお母さんを見ると、寂しそうに笑った。
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