Storea Segreta

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***  看護婦さんと別れて階段を昇り、しばらく歩いたところに院長室はある。 「失礼します」 「わっ・・・」  ランドセルを降ろしてドアを開けると、そこにいたお医者さんがビックリしたようにボクを見た。  ?  ・・・あ、お母さんには『最初に秘書室に来なさい』って言われてたんだ。忘れてた 「すみませんでした」  そう言ってドアを閉めようとすると、奥から声が聞こえる。 「大丈夫よ。入ってちょうだい」  その言葉にボクは顔が挙げ部屋の奥を見ると、キレイな女の人と目が合う。  『院長』と書かれた札の置いてある机に座るその人とは、ボクも何回か会ったことがあった。 「こんにちは、院長先生。  そちらの人は、初めまして ですか?」 「・・・」  オトナの人に失礼のないように言ったつもりだったが、どこかおかしかったのか、その人はボクを見たまま固まる。 「・・・あの」 「ヤッバ。マジ碧先生」  は?  ワケが分からないまま聞くと、その人はそう言ってボクの顔を両手で掴んだ。  
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