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お母さんは呆れ顔だが、それでも会えると嬉しい。
「あ。ゴメンなさい・・・」
『お客様がいるかも知れないから、最初は秘書室に来なさい』と言われていたのを思い出して、ボクは少しだけ申し訳ない気持ちになった。
そのまま、お母さんは溜め息を吐く。
「で、院長。どうしてこの人がここにいるんですか?
宮城先生が来る、と聞いていたんですが」
「仕方ないでしょう。患者は一刻を争うんだから」
そう言って、二人は顔を見合わせ溜め息を吐いた。
「あっ!二人ともひどいっ!」
・・・
少しかわいそうになって、ボクも登戸先生を見る。
「碧海君は僕の味方だよねぇ~」
「お父さんの話を聞かせてもらうまでは味方でいます」
「・・・やっぱ、碧先生の子だわ」
正直な意見を言うと、何故かそう呟かれた。
「お父さんって、病院ではどんな人だったんですか?」
「そうだな・・・」
言いかけて、先生の視線はお母さんで止まる。
「少なくとも、君のお母さんに関しては見てるこっちが呆れるほどにラブラブだったよ?」
「それは知ってます」
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