351人が本棚に入れています
本棚に追加
・・・
「あの、医者としてはどんな人だったんですか?」
「ん?アメリカのER帰りってだけあって、優秀だったよ。
その上文武両道で、患者が暴れた時はよく碧先生が対応してたなぁ。
しかもすごく頭のいい人で、君のお母さんが狙われた時、病院に爆弾が送られてきたんだけど、それを解体したのもあの人だしね」
やっぱりマッチポンプじゃん・・・
呆れるボクに構わず、先生は続ける。
「君のお母さんが妊娠した時も、すごく喜んでいてね・・・、ってこの話しちゃっていいですか?」
「どうぞ」
?
ボクがお腹にいる、って分からないうちにお父さんは亡くなったハズだ。
どういうことだろう。
「君が産まれる前に、君のお母さんのお腹の中にお姉さんがいたんだよ。その子は産まれる前に亡くなってしまったけど、お姫様が妊娠したって分かった時の碧先生はすごかったよ・・・?」
初めて聞く話なのか、お母さんも興味深々になっているのが分かる。
「何せ、産婦人科に頼み込んで貰った 胎内のエコー写真をデスクに貼って、休憩のたびに眺めてはうっとりしてたからね」
うわぁ・・・
「そんなことしてたんですか。あのバカ・・・」
堪らない、といった調子でお母さんも口を出した。
最初のコメントを投稿しよう!