Storea Segreta

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 ・・・ 「あの、医者としてはどんな人だったんですか?」 「ん?アメリカのER帰りってだけあって、優秀だったよ。  その上文武両道で、患者が暴れた時はよく碧先生が対応してたなぁ。  しかもすごく頭のいい人で、君のお母さんが狙われた時、病院に爆弾が送られてきたんだけど、それを解体したのもあの人だしね」  やっぱりマッチポンプじゃん・・・  呆れるボクに構わず、先生は続ける。 「君のお母さんが妊娠した時も、すごく喜んでいてね・・・、ってこの話しちゃっていいですか?」 「どうぞ」  ?  ボクがお腹にいる、って分からないうちにお父さんは亡くなったハズだ。  どういうことだろう。 「君が産まれる前に、君のお母さんのお腹の中にお姉さんがいたんだよ。その子は産まれる前に亡くなってしまったけど、お姫様が妊娠したって分かった時の碧先生はすごかったよ・・・?」  初めて聞く話なのか、お母さんも興味深々になっているのが分かる。 「何せ、産婦人科に頼み込んで貰った 胎内のエコー写真をデスクに貼って、休憩のたびに眺めてはうっとりしてたからね」  うわぁ・・・ 「そんなことしてたんですか。あのバカ・・・」  堪らない、といった調子でお母さんも口を出した。
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