Storea Segreta

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「因みに、その子が女の子だった っていうのはどこで?」 「・・・お姫様が入院した時、先生は処置した医者から胎児の性別を聞いていたらしいです。  で、女の子だって分かった後は、しばらく胎児の写真が『海花』って名前のぬいぐるみに変わりました。それも、しばらくしたら宮城先生に『辛気臭い』って、取り上げられそうになって、置くのを止めたみたいですが」 「あの男は・・・!」 「お、お母さん?」  今まで見たことのないお母さんの姿に驚きながら、未だあったことのないお父さんを「スゴイ」と思った。  お母さんは、その声にハッとして溜め息を吐く。 「・・・前に、碧先生が『あの人が私だけに見せる顔が堪らない』って言ってたけど、こういうことだったんですね」  はー、と呆れたような声を出して、登戸先生は出されたコーヒーを啜った。
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