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登戸先生から話を聞いた後、院長先生が「今日はもう、碧海君と帰っていいわよ」とお母さんに言ったので、ボクはお母さんと帰れることになった。
病院を出てから、お母さんはずっと何も言わない。
それでも、怖くなって手を握るとお母さんは握り返してくれた。
ボクを見て、優しく笑うその顔にホッとする。
「ねぇ、碧海。
お墓参りに行こうか」
「お墓参り、って、お父さんの?」
「そう。それと、貴方のお姉さん」
さっき、話に出てきたお姉さんだ。
ボクが何も言わずに頷くと、お母さんも泣きそうな顔で笑った。
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