351人が本棚に入れています
本棚に追加
***
「アタシも子供が産みたい!」
そんなイカれたことを陸が言ったのは、ある日俺が仕事から帰ってきてからのこと。
玄関を通ってリビングに入るなり抱きつかれ、「おかえり」の言葉もそこそこに、そんなことを言われた。
「はぁ?」
いきなり何を言っているんだと、俺は溜め息を吐く。
「何かおかしなものでも食ったか?」
そんなことを言いながら、溜め息を吐いて陸の手を引き、陸と向き合う。
陸の顔を見ると、いつもよりキラキラした瞳がこちらを見つめていた。
・・・
「ーん」
そのまま、陸は啄むような口づけを繰り返した後、唇を割って舌を入れてくる。
「ーっ」
仕返しとばかりにこちらが反撃してやると、ヤツは途端に艶めかしい光を目に宿した。
「やぁ・・・」
そのまま耳に吸い付くと、途端に息を上げる。
仕上げに首すじに吸い付いて痕を残すと、ヤツは放心状態のままソファに沈み込んだ。
「意地悪」
「いきなり意味不明なことを口走る、お前が悪い」
それだけ言うと、カバンを持ってリビングを出る。
何だってんだ、一体
最初のコメントを投稿しよう!