Straordinario fuori

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 とりあえずカバンを置き、着ていた上着をハンガーにかけてリビングに戻るとテーブルには夕飯が並んでいた。  今日の夕飯は回鍋肉にもやしと豆腐の味噌汁。もやしとニラのナムルだ。この分だと、デザートに杏仁豆腐も付くかもしれない。  元栄養士だけあって、陸は料理が上手い。ウチの薬局にある食餌療法相談も、担当しているのは陸だった。 「いただきます」 「・・・いただきます」  いつものようにそう言って箸を付けると、陸もぶすくれた様子ではあるが食事を開始する。 「今日、空は?」 「一昨日から部屋に籠ってるみたい。後でお弁当作るから、持って行って」 「了解」  不機嫌そうな表情に気付かないフリをして、俺は夕食を食べ終えた。
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