そう、全ては夢の中に

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市営プールに到着した早々、さっきの失態をすっかり忘れて姉弟はしゃいでいる。 大小の四角いプールが2つあるだけで、流れても無ければ滑り台も無い、大人から見たら興味に欠ける変哲のない物だったが、子供にはこれで充分楽しいようだ、料金も安いし、後は帰りにソフトクリームでも買ってやれば大喜びだ、オレ的にはここで冷えたビールでも売っていれば満足出来るのだが、ここには無かった、オレは日陰で子供達の安全を見守る事にした。 「ちゃんと、準備体操してから水に入れよ」 もう充分はしゃぎまくって体操の代わりになっているけどね。 早送りみたいなラジオ体操をした後、二人は水に飛び込んだ。 やる事なくて眠くなり、転がってウトウトしていた時だった。 小プールの方が騒がしい、監視員と大人達が慌て走って行く、プールサイドはただならぬ雰囲気になった。 オレはアキオとミナを探した、妙な胸騒ぎがした。 今まで遊んでいた大プールの方には二人の姿は見られない、小プールは子どの足では届かない深いプールだったが、何度も来ていて子供も承知の事だと思い込んで、注意喚起するのを忘れていた、小プールの人だかりの中へ駆け込んだ、嫌な予感が拭えなかった。
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